わが家では現在3羽のセキセイインコを飼育しています。
子どもにねだられてお迎えしたものの、鳴き声は大きい上にいくらおしゃべりを教えてもしゃべらない…。
思っている以上に飼育が難しいと感じたので、これからお迎え予定の方へ向けて知っておいてほしいデメリットをまとめました。
セキセイインコはデメリットだらけ
大きさ:19〜23cmほど
値段:約3,000円〜15,000円
寿命:約5〜10年
レアな品種になるほど高額
さわられるのは苦手
動画投稿サイトを見ていると、気持ちよさそうに顔を触らせてくれたり、あおむけにゴロンと寝転がる、通称ニギコロが出来たりする子もいますが、ほとんどのセキセイインコは「触れない」「指を近づけると噛む」などけっこう凶暴です。
カキカキやニギコロさせてくれている子は「雛」や「幼鳥」。それでも「苦手だなぁ」と思いながら触られており、大きくなって知恵がつくにつれ、苦手なことをされた手が嫌いになります。
大きくなっても顔に触れる子はめずらしいです。トレーニング次第である程度までは触れるようになりますが、肩や手に止まってもこちらからは触れないものだと思って下さい。
好奇心が強い
壁紙をボロボロにされるので、木の板を貼るなどして対策をしておかないと悲惨なことになります。
なんでもすぐかじるので、観葉植物や人間の食べ物など危険なものはあらかじめインコの目に入らないよう工夫が必要。
すぐ発情する
セキセイインコはずっと発情していると身体に負担がかかり、寿命を縮めてしまいます。
発情を止めるためにいろいろ対策してもなかなかおさまらず、わが家もかなり苦労しています。
メスは人間の服にもぐりたがる子が多いのですが、服に入るときに「首元」や「袖口」から入ろうとし、人間の皮膚をチミチミ噛むのですごく痛いです。
入らせないようにタオルで覆っても、今度はタオルの隙間から入ろうとしてまたチミチミ…。
あまりかまいすぎても発情するので、おもちゃなどで遊んで気を紛らわすような工夫が必要になってきます。
鳴き声が大きい
わが家のオスはよくさえずっていますが、人間一人がしゃべっているぐらいの音量でさえずっています。アプリで計測したところ50dBほど。
メスは比較的静かに過ごしていますが、軽い呼び鳴きで78.6dB。
複数羽で呼び鳴きされると、さすがにうるさいと思う事があります。
ペットショップでは大半が雛なので、まだピヨピヨとかわいらしいですが、大きくなるにつれて鳴き声がギャーギャーに変わります。
インコに限らずペットは鳴き声や生活音がけっこううるさいので、それが原因で手放す人もいるほど。
ぜんぜんしゃべらない
セキセイインコはしゃべると思われがちですが、オスでも全然しゃべらない子、メスでもしゃべる子がいます。
おしゃべりもかなり根気よく教えないと覚えない上、他に鳥を飼っているとそちらに興味が移っておしゃべりしにくくなります。
しゃべるのが得意な子、苦手な子もいるので、必ずしゃべるとは限りません。
ちなみにわが家はたぶんオスだろうという子を1羽お迎えしたあとにメスを2羽お迎えしたので、いくら根気良く教えてもおしゃべりを覚えてくれません(笑)
雛は性別不明
こちらはわが家のセキセイの幼いころ。
性別を見分けるには鼻(正確にはろう膜)の色で判断しますが、雛のうちはほぼ同じ色をしているので見分けがつきません。
生後6ヶ月をすぎたあたりで鼻の色が変わり、やっと性別が判明しました。
鼻が白〜茶色っぽくなるのがメス(左)で、鼻が青くなるのがオス(右)です。ただし品種によっては色が変わらないものもいます。
セキセイインコは安価で流通しているため、ショップで性別鑑定済みの子を見かけることはめずらしいです。
だいたいは雛のうちに売れてしまいますが、生後6ヶ月あたりの若鳥を販売している場合もありますので、どうしてもオスが欲しいなら性別の見分けがつく頃の子をお迎えするのも一つの方法。
ただ、長期間カゴで過ごしていたので、最初は手に乗ってくれないかもしれません。
雛の性別の見分け方のひとつに「オスは鼻が全体的にピンク」「メスは穴の周りが白っぽい」と言われていますが、実際に見るとかなり判別が難しいです。
人懐っこい
毎日こまめに話しかけながらお世話をしていれば、肩や頭の上に乗ってくれるようになります。
人懐っこくなりすぎて、キッチンからトイレまで、どこにでもついてくるのが困りもの。
うっかり窓を開けて外に出てしまったり、扉にはさんでしまったなどの事故に気を付ける必要があります。
規則正しい
生活リズムが規則正しく、日の出とともに起きて日没とともに眠りにつきます。
6〜7時頃に目覚め、17〜18時頃に寝るのが理想。リビングなど夜まで明るい場所にケージを置くことも多く、なかなか理想通りに……とはいかなくとも、遮光性のあるカバーをかけて対策を。
休みの日に人間が寝坊をすると大声で呼び鳴きされるので、寝坊は許されません(笑)
お世話に手間がかかる
毎日 | 餌・飲み水・敷紙の交換、体重測定、健康観察、放鳥、スキンシップ |
2〜3日ごと | 日光浴 |
1〜2週間ごと | 鳥かごの丸洗い、止まり木・おもちゃの消毒、水浴び |
半年ごと | 動物病院での健康診断 |
電気代がかかる
セキセイインコが快適に過ごせる温度は28度前後。
特に寒さに弱いので、冬場はヒーターやエアコンなどの保温が必須。
我が家ではインコをお迎えしてからエアコン+ヒーター使用で、電気代が1ヶ月5,000円ほど上がりました。
保温をおろそかにすると、朝起きたら亡くなっていたということもあります。
気温差が激しすぎると病気・体調不良の原因になりますので、基本エアコンはつけっぱなしが好ましいです。
保温=周りの空気を温めるということなので、毛布やカバーをかけるだけではNG。最低限ペット用ヒーターとビニールカバーは必須。
カゴから出して遊ばせなくてはいけない
鳥カゴから出して遊ばせることを「放鳥」と言います。
どれだけ気をつけていても『ついうっかり』が起こってしまうのが放鳥タイム。
SNSで毎日のようにインコが逃げてしまったといった情報を目にします。窓やドアは必ず閉めましょう。
セキセイインコは明るい方へ飛ぶ性質があるので、カーテンの開けっぱなしも危険。窓ガラスに激突する事故もしょっちゅうです。
放鳥時はカーテンを閉め、外が見えないような工夫を。
放鳥は最低でも1日1回。時間の基準はありませんが、30分〜1時間が平均的。めんどうだからと放鳥やスキンシップをおろそかにすると、ストレスから自分の羽をむしったり、皮膚を噛みちぎってしまったりすることも。
部屋のインテリアに注意
インコが鉛・亜鉛・銅などをかじってしまうと金属中毒を引き起こし、すぐに病院へ行く必要があります。
観葉植物や家具の塗装、化粧品やアロマオイルなど、さまざまなものがインコにとって有毒の可能性があるため、放鳥中は目をはなさないようにするか、放鳥スペースと生活スペースを分けるようにしましょう。
セキセイインコは太りやすい
セキセイインコは餌があればあるだけ食べてしまいます。昔ながらの『粒餌』『ミックスシード』は大好物で、毎日好きなだけ食べさせているとあっという間に肥満に。
『粒餌』『ミックスシード』を与える場合は、不足しがちなミネラル、カルシウムを補うための補助栄養食が必要。
総合栄養食の『ペレット』は必要な栄養素が全て含まれていますが、食べてくれないインコも多いです。
1日の餌の量の目安は体重の10%と言われていますが、10%きっちりだと少ないです。栄養不足やこぼすことも考えて、やや多く入れておきましょう。
雛の場合は挿し餌で育てます。雛専用のパウダーフードをぬるま湯に溶かして1日だいたい3〜4回ほど、朝・昼・夕・夜いずれかのタイミングで食べさせます。お迎えの前に与える回数・時間・量を聞いておきましょう。
けっこう初期費用がかかる
基本のお迎え用品約25,000円+生体の費用=合計30,000円前後
お迎え後の健康診断約10,000円
- 鳥かご
- ナスカンなどの鍵になるもの
- プラケース(昆虫飼育用でも可)
- プラケースのふたを開かなくするベルト
- 止まり木
- 餌入れ
- 水差し
- 餌
- 栄養補助食品
- 敷き紙
- おもちゃ
- 遮光カバー
- ヒーター
- ビニールカバー
- キッチンスケールや鳥用体重計
最低限のお迎え用品だけでもさまざまなものが必要になります。
プラケースは雛のお迎えのほか、キッチンスケールに乗せての体重測定、病院に連れて行く際のキャリーケースとしても使用できます。実は中からかんたんに開けられてしまうので、ゴムバンドやベルトなどで止めるのは必須。
止まり木はケージに付属しているものでも可ですが、木の枝の形をした天然木タイプのものがおすすめ。
餌入れ、水差しはケージに付属しているものでは深すぎるので、なるべく浅いタイプのものを。
また、どんなに仲が良さそうでもケンカをするので、複数飼いの場合はケージを分けて飼育したほうが良いです。
お迎え時から病気の可能性がある
わが家のセキセイインコはみんな健康でしたが、のちにお迎えしたオカメインコがお迎え直後に「メガバクテリア」という病気を発症しました。
病気がみつかった場合治療費がかかるのですが、病気が長引いた場合は何万とかかります。
『エキゾチックアニマル』診察可能な病院でも、鳥類は診察できないケースもあります。基本的に予約制ですが、セキセイインコを診察できる病院をあらかじめ探しておくこと。
元気なときに健康診断を受けて、インコの状態を知っておいてもらうことも大切。
おわりに
我が家もセキセイインコをお迎えする前は数ヶ月下調べしました。
雛を3羽同時にお迎えしましたが、手乗りなのに手に乗ってくれないし、ペットショップで聞いたようにお世話しようとしても上手くいきません。
理想と現実の違いに心が折れそうになりましたが、1週間もするとそんな生活にも慣れ、毎日楽しく暮らしています。
わからない事があったら積極的に調べ、何かおかしいと思ったらすぐ病院へ連れて行けるのであればお迎えしても大丈夫です。
大切なのは「インコとの生活をおろそかにしない」という心構え。この家に来てよかったと思ってもらえるような環境を整えてあげられると最高ですね。